エリート警察官は彼女を逃がさない
指定された時間よりも早くあっさりと現れたピンクのライン。もう少し時間がかかると思っていた私はそれを持ってトイレで立ちすくんでいた。
「美緒? 大丈夫?」
どれぐらいその場でそれを持って立ち尽くしていたのかわからない。
呼ばれた声に我に返り、扉をあければ心配そうに私を見つめる咲良の瞳があった。
「陽性だった……。赤ちゃん……」
呟やいた私を咲良はギュッと抱きしめる。そして落ち着かせるように部屋へと連れて行ってくれた。
「相手の人のこと聞いていいの?」
「私もよく知らないの」
「え?」
まさか私がそんなことをするとは思っていなかったのか、彼女はかなり驚いた表情を浮かべた。