エリート警察官は彼女を逃がさない
私は無言で頷いた。征爾さんはなんていうだろう。エリート街道まっしぐらの彼にとってはただのお荷物でしかないのかもしれない。

その日は咲良と一緒に枕をならべて眠りについたが、ほとんど眠ることはだきなかった。

次の日、午後シフトだった私は一度自分の家に戻ると、重い体を引きずってのろのろと着替えると、職場のホテルへと向かった。

結局昨夜は征爾さんからの折り返しの連絡はなかった。そのことがさらに私の気持ちを暗くさせていたが、仕事に支障をきたすわけにはいかない。

更衣室で着替えてロッカーの鏡に自分を映すと、無理やり笑ってみる。
大丈夫、きっと。
そう思い、いつも通りフロント業務へと着いた。
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