エリート警察官は彼女を逃がさない
真実
三カ月後
「美緒、洗濯するから早く出しなさいよ!」
「はーい」
安定期に入り、私は実家の客間で返事をする。
二階建てだが農家もやっているこの家は、和室続きに縁側という昔ながらの作りの家だ。
私の部屋は二階にあったのだが、階段の上がり下がりが危ないと、父に強制的に一階の客間へと移動させられた。
今は母の畑を手伝ったり、父の道場の事務仕事などをして生活をしている。
東京では乗らなかった車で買い物にもいくし、自然を見たりして精神的に安定してきた。
征爾さんのことを思い出すことはもちろんあるが、少しずつ思い出に変わっていくのだと思う。