エリート警察官は彼女を逃がさない
メッセージの一つもないのに、いきなり現れたことに驚きを隠せない。
「今更なんだ。こんなに長い間娘を放置しておいて、よく顔を見せられたな」
「本当におっしゃる通りです。申し訳ありません」
父はかなり体格がよく、見かけもとても威圧的だ。それに臆することなく静かに頭を下げ続ける征爾さんに、母が助け舟を出す。
「お父さん、話ぐらいきいたらどう? ここまで来るってことは何か理由があったんでしょ?」
「そんなもの関係あるか。かわいい娘を泣かされて許せるわけない出ろう」
父は怒りが収まらないようで、今にも手が出てしまいそうだ。
そこへのんきな声が聞こえてきた。