エリート警察官は彼女を逃がさない
ぱたんと障子が閉まり二人きりになると、不意に緊張してしまう。久しぶりに目の前にいる彼に、何を伝えればいいのかわからない。
「美緒、本当に不安にさせてごめん」
そんな私の気持ちがわかったのだろう、征爾さんはもう一度頭を下げる。
「ずっと美緒に会いたかった」
ストレートに伝えられた言葉に、俯いていた私は顔を上げてまっすぐに彼の瞳を見た。
「本当にですか?」
「信用してもらえないのはわかっている。抱いた後に連絡がとれなくなるよな男、そう思われても仕方がない。でも、美緒のことを忘れたことはなかった」
不安に揺れる彼の瞳に嘘はないように思えた。
「どうしてここがわかったんですか?」
そう言えば連絡も何もなかったのに、急に現れたのだ。
「美緒の友人の咲良さんに教えてもらった。今更電話もでてくれないかもと思って、直接ホテルに行けば、美緒は退社したと聞いた。呆然としている俺に咲良さんが声をかけてくれた」