エリート警察官は彼女を逃がさない
それから数時後、少し予定日よりは早かったが、私は元気な女の子を出産した。
「美緒、ありがとう。俺に家族をくれて」
産まれてきた茉莉を手に抱き征爾さんが涙ぐむ。
すぐに両家の両親もみんながお祝いに駆けつけてくれた。
こんな未来があると思っていなかった私は、幸せで胸がいっぱいになる。みんなが帰り病室に私たちだけになった。
「美緒、本当にお疲れ様」
すやすやと眠る茉莉を見つめて征爾さんが私に労いの言葉をかけてくれる。
「征爾さんこそ、眠ってないでしょ? 大丈夫?」
陣痛がまるっと一日あり、その間征爾さんはずっとついてくれていた。