冬の夜、君と2人で。

「へぇ、すごい美味しそうじゃん!」

私たちが行ったのは、私がつい先日ネットで見つけた、期間限定商品が発売されたところ。

某めちゃくちゃお洒落でお高めなカフェで、高校生だけど、1人だけで行く機会はほとんど無かった。

数少ない友達はいるのだが、なかなか誘いづらいものなのだ。

まあ、それはともかく、今は期間限定商品を堪能するのだ。

しばらくして運び込まれてきたのは、私が頼んだホワイトチョコレートのフラペチーノ。

冬夜くんも、私が注文したのを見て、「僕も同じもので」と爽やかに注文する。

私がこれを見つけた時に、数少ない友達に「これ美味しそうじゃない?」と聞いたのだ。

それに対して友達に、「美味しそうだけどめちゃくちゃ甘そうで私はちょっと……」と言われてしまったのだ。

確かに、私も冬夜くん程ではないが、かなりの甘党である自信がある。

そう感じながら、ホワイトチョコの飲み物を口に注いでいく。

「はぁぁぁぁぁ。甘い、最高すぎる……」

1人感動してると、冬夜くんもそれを見て一口飲む。

私は冬夜くんがどういう反応するのか見てみたい好奇心にかられて、冬夜くんをじっと見る。

冬夜くんが飲んだ後、顔に笑顔が広がっていく。

「甘ぁぁぁ、最高……! いや~、やっぱ甘いものは正義だよなぁ」

大の甘党である冬夜くんのお口にも合ったらしい。

流石ホワイトチョコ。

4分の1飲んだくらいで、カップを置いて一息つくと、冬夜くんも同じように置いて、

「そういえばさ、最近、学校どう?」

なんて聞いてくるもんだから、

「あー、学校。ええーっと……」

なんていう反応をしてしまった。

正直、学校が上手くいっているとは言えない。

そういうのも重なって、冬夜くんには話したくはなかった。

だってさ、好きな人にはやっぱ良く見られたい訳だし?

私が学校で上手くいってないって知ったら、冬夜くんはどう思うんだろう。

冬夜くんなら、私に対して幻滅するとか、ひどいことを絶対しないって言いきれるから、より言いづらい。

そんな私の気持ちを察してなのか、冬夜くんは

「弥生が言いたくないなら別にいいよ」

と、優しく付け足してくれる。

そう言われたら、なんだかこっちが言いたくなってきてしまう。

別に、そこまで深刻かと言われたら違うだろう。

ただ、人間関係が上手くいってないだけと言われたら、そうなのだから。

けど、冬夜くんが纏っている優しい雰囲気のせいなのか、口から滑り出すように、私は言葉を紡いでいた。

「実は、さ……」
< 15 / 23 >

この作品をシェア

pagetop