冬の夜、君と2人で。
仕方がないことだと思っていたし、如月家(わたしのうち)は、そこまで名が知られていないから、ね。

樋渡家の血筋も持っていることも、そこまで知られていない。

とは言っても、樋渡家が認めているところはこのことを知っているはずなんどけど……。

まぁ、今は関係ないか。

「家柄なんて関係ない。それぐらい、俺は……っ」

冬夜くんは、覚悟を決めるように深呼吸をすると、こう言った。

「俺は、弥生の事が好きなんだよ……っ」

えっ? ちょ、ちょっと待って?

私は冬夜くんの事が好きで、冬夜くんも私の事が好き?

そんなことって、本当にあるの?

叶いもしないと諦めていた恋は、実現するのですか?

思わず涙が溢れてきて、視界が滲む。
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