溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「ふふっ、まーしろちゃん。」

「ひゃっ!?」


先輩に勢いよく抱きつかれて、思わず変な声が出た。


「……あのさ、琴坂さんたち、俺の彼女をいじめるの、やめてくれない?」

「だ、だって……!佐伯くんが、私に興味を持ってくれないから……!!」


っ……。

胸が、モヤモヤして苦しいっ……。

私、嫉妬……してるのかな……?


「そんなの、当たり前でしょ。僕が好きなのは真白ちゃん、ただ1人なんだから」

「先輩っ……」


ああ……不安になっても……不安になれない。

先輩は、私を安心させてくれる。


「……っていうことで、次真白になんかしたらただじゃおかねぇからな」

「ひっ……!!」


先輩がどんな顔をしてそう言ったのかはわからないけれど……きっと、恐ろしい顔をしていたことだけはよくわかった。


「よし、アイツらも失せたことだし。真白ちゃん、今日も一緒に帰ろうね」


ぽんぽんと頭を撫でられる。


「はい!ぜひ!」


ふふっ、幸せ。嬉しいなぁ。


「あ、莉央先輩から聞いたんだけど、遊園地行きたいの?」

「あっ……!はい!」


そういえば、莉奈ちゃんとそんなことを話していたのを思い出す。


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