溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「ほんっとそう言うのいいから」

「そんなこと言わないでよ。だって中等部と高等部って渡り廊下で行けるからめちゃ近いじゃん?」

「けど私は真白と行ってるの」

「あ、私先行くよ?」

「ちょ、気使わなくていいから!」


でも私すっごく邪魔だよね。


「大丈夫だよ!じゃあね!」

「ちょ、真白!?やめて独りにしないでぇー!!!」

「はいはい莉奈ちゃん行くよ」


2人が距離を詰めて歩く中、私は軽く走る。


ふふっ、2人がうまく行くといいなぁ。


にしても、いいなぁ。東さんきっと莉央ちゃんのこと大好きだろうし。


2人が付き合うのは、時間の問題かも……!?


しばらくして距離がだいぶ空き、再び歩き始めた私。


「……あ!!おはよ真白ちゃん」

「え?あ、佐伯先輩……!おはようございます」


ぺこりとお辞儀をする。


「1人なの?友達は?」

「あ、幼なじみの人と2人にして置いてきちゃいました」

「え?置いてきたの?ふふっ、面白いな真白ちゃんは」


きゅんっ。


っ……!なにこれ……!

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