溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「俺は白鷺優星、高校三年生の千星の従兄弟だよ〜。よろしくね、真白ちゃん。ふふっ」

「あっ、七海真白、中学2年生です……!よろしくお願いします……!!」


ぺこりと頭を下げる。

「ほら、真白ちゃん帰るよ」

「せ、先輩い、いたいです……!!」


さ、さっきよりも力が……!!


「あ、ごめん……大丈夫?」

「はい」

「もう、だめだよ千星」

「優星は関係ないだろ」


キリッと優星さんを睨みつけてる千星先輩。


「んーん、関係あるよ?俺、真白ちゃんのこと好きだからさ」


王子様スマイルをしながら私の方を見つめる白鷺さん。


「……へっ!?」

「ね、真白ちゃん、こんなヤツじゃなくて俺と婚約者にならない?」

「そ、そんな……!私は千星先輩としか結婚するつもりはありませんので……!!」


ほ、本当……!!いくら私が歳下だからってからかいすぎだ……!!


「……へぇ、そっか。じゃあ、対決するってどう?」

「た、対決……?」


ど、どういうこと……?


「真白ちゃん帰るよ」



冷たい声色でそう言った先輩は、さっきよりも私の腕を強く引いた。

白鷺さんはにっこり相変わらず微笑みながら、私たちの方を見ている。
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