溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
……休み時間に図書室……。

いいかもしれない。


会えたら、もう私たちをからかわないでって伝えることができる……!!

よし、あとで説得しに行こう……!!





そして、迎えた休み時間。


ピコンッ!


再びスマホが鳴ったけれど、後ででいっか。


そう思い、図書室へと急いだ。


——ガラガラッ!


「白鷺さんっ!!!」

「あ、真白ちゃん。早かったね」

「わ、私も、お話したいことがあります……!!はぁ……はぁ……」


つ、疲れた……走ってきちゃったから……。

それに……なんだか、クラクラする……。


「?真白ちゃん……?」

「あ、あのっ……はぁ……はぁ……もう、私たちにちょっかいをかけるのは——」


あ、れ……力、が……。


スーッと力が抜けていって、立っているのが辛くなった頃。


ぎゅっと、誰かに抱き止められるような感覚が走る。

けれど、視界がぼやけていて、相手が誰なのかはわからない。


「真白ちゃん、大丈夫?!」


この声は、先輩ではない。


「……っ!!!真白!!」


けれど……次に聞こえたこの声は、紛れもなく先輩だ。


「な、なにやってるんだよ!!!」


先輩、怒ってる……?
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