溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
結び、幸福

だから僕は*side 千星*

「私は———千星先輩と、いたかったから」

「僕といたかったから?」


……真白ちゃんのこと、信じたい。

なのに、アイツの言葉が頭に焼き付いている。


それは、まだ真白ちゃんが寝ている時の会話だった。





「今日、実は真白ちゃんに呼びだされたんだよね、大事な話があるって」

「……へぇ」


真白に呼び出された?

どうやってだよ。


「で、どんな話だったんだよ」
 
「図書室についてすぐに真白ちゃんが駆け込んできて、そのまま抱きつかれたんだ」


……コイツが、まちがえなく嘘をついていることはよくわかっていた。


なぜかと言うと、僕がきた時に、真白ちゃんが熱で倒れそうになっていて、抱きしめられる少し前だったからだ。


……けれど、真白ちゃんが優星と会いたかった理由がわからない。

……もし、仮に、真白が優星のことが好きだったら、と……考えるだけで気が狂いそうになる。


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