溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

「あーあのね、コイツ元カレ」


……え！？


「も、元カレ……！？」


も、もしかしてさっきの一回を省いてって、白鷺さんのことだったの！？

いや、だとしたらなんで顔がドストライクって言った時に気づいてなかったの！？


「ま、まさか同姓同名で顔も同じなのにわからなかったんですか！？」

「え？うん、だってコイツのこととっくに忘れてたし」


わ、忘れすぎでしょっ……！！


「はぁ？忘れるってなんだよ」

「あ？アンタいつのまにアタシにそんな口きけるようになったのよ」

「……ごめんなさい」


……え？な、なんか白鷺さん、美鈴先輩の犬みたいになってる！？


「あ、あの……」

「あー、コイツの本性？」

「あ、は、はい……」


す、すごい美鈴先輩鋭いっ……。


「コイツはね、普段は王子ズラしてるくせに、付き合ったら俺様になって最終的にアタシのことが好きすぎて下僕になったのよ」

「ふぇ！？げ、下僕……！？」


い、いやいや……！性格変わりすぎじゃ……！！