溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「真白ちゃんー!」

「……ふぇ?」


千星先輩……!?


教室の入り口から微笑み多く手を振る千星先輩。


「ちょっときて欲しいんだけどいい?」

「え、ええっ……」

「きゃー!?なになに!?」

「公開告白!?」


再びざわつく教室内。


うううっ……もう嫌だぁっ……。


はぁ、と大きくため息をつき私は先輩に近寄って行く。


「あのさ、真白ちゃん」

「?どうしましたか?」

「今日、よければ帰り一緒に帰らない?」

「え?」


先輩は少し顔を赤らめてそう言う。


「い、いいですけど……ど、どうして?」

「えっ?あ、あー。僕1人で帰るの心細いんだよね」

「あ、そ、そうなんですね」


ちょっと意外だなぁ。

先輩は身長165センチはありそうなのに。


って……見た目で決めつけるのはよくないよね。


「なんだか意外だけど承知しました!ではまた放課後」

「あ、う、ん。ありがとうね」

「はーい!」


なんだか千星先輩は後味が悪そうに教室から離れて行った。


「なに話してたの?」

「あっ、一緒に帰ろうって言われたんだ」


莉奈ちゃんに問われてそう答えると、周りの女子たちが「ええぇー!?」と声を上げる。


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