溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「七海さんって佐伯先輩と付き合ってるの!?」

「ち、ちがいますよ!」

「じゃあどんな関係!?」


次々の女子たちに質問されて、もう頭の中がグルグルだ。


「……おい、あんまり群れるなよ」


蒼がものすごく低いトーンでそう言うと、私の周りにいた女子たちは綺麗にいなくなっていた。

「あ、ありがとう……」

「……ただ俺が邪魔だと思っただけだから」

「そ、そっか」


なんだか、変わらないな。


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