溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
やっぱり蒼はとっても優しい。


「……確定だわこれ。確定演出すぎる……」

「?どうしたの莉奈ちゃん」

「いや、なんでもない」


呆れたようにはぁとため息をついた莉奈ちゃん。

「まぁ、せいぜいがんばれ。」

「え?う、うん」


な、なにを……?

よくわからないけれど私は返事をした。






そして迎えた放課後。


校舎の前で待っててと言われた私は先輩のことを待っていた。


「……あ!真白ちゃん!」

「千星先輩」

「ごめんね待った?」

「いえ」


……ん?なんだか、よく聞くセリフ……!?

 
「よかった。じゃあ、行こっか」

「あ、はい!」


ゆっくりと歩き始めた私たち。

無言な時が続き、なんだかだんだん気まずくなってきた……。


「……あ!あの」

「ん?」

「千星先輩は、え、えっと……ご兄弟さんとかいるんですか?」

「……あー。僕一人っ子なんだよね」

「あ、そうなんですね!」


一人っ子かぁ。


「真白ちゃんは?」

「あ、私は弟が1人います」


小学生5年生のとっても可愛い弟。

多分年頃的にはとっても仲がいい方だと思う。


「へぇ〜そうなんだ。あ、真白ちゃんは好きな食べ物とかある?」

「んー……」


好きな食べ物か……。


「……あ!ありますよ!」

「ふふっ、なぁに?」

「プリンです!」

「……へぇ。そっか」


プリンはほんとに小さい頃からずっと大好きだ。

特に小さい頃どこかで食べたプリンが、ほっぺが本当に落ちるかと思うほど美味しかったのをよく覚えている。
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