溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「あの男の人、誰?」

「へ?あ、あの人は先輩だよ」

「姉ちゃんの恋人?」

「え?!ちがうよ!!」

「ふーん」


っ……!!その顔は、絶対信じてない……!!


「ちがうってばぁ……!!」

「まぁどうでもいいけど」

「どうでもいいのかよっ……!!」


なんでみんなそんな勘違いをするんだろう……。


私と先輩じゃ、なに一つ釣り合ってないのに。


「ほら姉ちゃんなに突っ立ってんの?はやくおやつ食べよう」

「あ、うん!」


家に入り、手を洗い制服に着替える。


「……あ、お母さん」

「ん?どうしたの?真白」

「実は……明日、千星先輩が家庭教師……?できてくれるらしいんだけど……いいかな」

「あら!もちろん!じゃあ美味しいお菓子用意しとくわね!」

「あ、ありがとう……」


お母さん、なんでそんなにルンルンしてるの……!?


本当、私にとっては一大事なのだ。


いままでクラスの男子と遊んだことはあったけれど……1対1なんてことはないし……。


それに……それに!

家に先輩がきたなんてことが女の子に知れたら、一体私、どうなっちゃうのか……。


「はい姉ちゃんアイス」

「あ、ありがとう」

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