溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
……まぁ、きっとどうにかなるよね。


アイスを食べながら、そんなことを考える。


……そうだ。先輩は別に私のことが好きなわけじゃないし、ただほんとに勉強を教えてもらうだけだという事実があれば、なにかあった時に大丈夫だよね。





そして、迎えた次の日、11時頃。


ピーンポーン


インターホンが鳴り、先輩が家にとうとうきてしまった。


「はーい」


ガチャン


「おはよ、真白ちゃん」

「あ、おはようございます」


っ……先輩の、私服……。


じゃなくて……!!


「ど、どうぞ、上がってください」

「あら!千星くん久しぶり!大きくなったわね」

「千秋さん。お久しぶりです」


お、お久しぶり……?

もしかして、2人とも知り合いなの……!?


いやいや……!

そんなことを考えて頭がいっぱいな中、どうにか私の部屋まで行き、先輩との勉強が幕を開けようとしていた。


「では……よろしくお願いします」

「ふふっ、よろしく。じゃあまず、数学からでいいかな?」

「あ、はい」


算数……じゃなくて、もう数学……。

嫌だなぁ……。


「じゃあまず、この問題解ける?」


いつのまにか開かれていたノートには、綺麗な文字で書かれたたくさんの問題が。

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