溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
いつのまにか部屋の前にいて、ポカンとして驚いているお母さん。


「まぁびしょ濡れじゃない!お風呂入ってきたら?」

「いいんですか?」

「ええもちろんよ!着替えは真冬のもので多分平気だろうし」

「ありがとうございます」


千星先輩は爽やかスマイルを浮かべてお母さんと会話をする。


「じゃあ真白ちゃん先お風呂入ってきてくれるかな?」

「あっ……先輩先でいいですよ?」

「いやいやいいよ、真白ちゃんは女の子なんだしさ」

「あ、ありがとうございます」


先輩……やっぱり、優しい……?

なんだかふわふわした雰囲気を纏ってるし。


「ではお先に……!」

「はーい」


着替えを取った私は素早く部屋を出て行った。


すぐにお風呂場に向かって、お風呂に入る。


「うわぁっ……ベタベタ……」


ほんとにバカなことしちゃったな……。

やっぱり、コップが割れなかったことだけが不幸中の幸い。


……にしても……。


私、なんだか変だな……。

ドキドキしたり、きゅんってしたり……。


まるで……まるでこの症状は、少女漫画で見るヒロインが男の子に恋をしてしまった時のようだ。
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