溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「はい……!!」
そんな調子で勉強は再開された。
*
2ヶ月後。
真白ちゃんは無事に中間テスト、高い点数が取れたらしい。
けれど、ここで安心してはだめで、次は期末がある。
また真白ちゃんと勉強できるチャンス。
そう思ったのだが……。
なんと、真白ちゃんは今度は友達と勉強会をするらしく、さすがに入れてはもらえなかった。
なんやかんやで期末テストも終わり、僕はいつも通り一位。
……なんだか、憂鬱な日々が続いていた。
机にうつ伏せる僕に、近寄ってきたのは
「おいおい大丈夫?」
宝生真都(ほうしょうまなと)だった。
「……大丈夫だと思うか?」
2ヶ月間、ほぼ毎日一緒に帰っていた。
けれど、それ以上が発展しない。
「さーな〜。あ、まさかあの一年まだ仕留められてないわけ?」
「うるさい」
仕留めるとか言うなし。
「……あ、じゃあ俺が協力してやろうか?」
「いやいい」
コイツが関わったら、ろくなことにならない。
「遠慮すんなって」
「してない」