溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「釣れないなぁ」


なにが面白くて笑ってるんだか。


「……あ、そうだ。これ貸してやるよ」

「なんだよこれ」


渡されたのは、紙で包まれた本。

本を開くとそこには……。


好きな人を確実に落とす方法。

と書かれたページが。


「本じゃなくてネットで渡せよ」

「こういう方が盛り上がるだろ〜?」

「いらない」

「ちぇ。ほんとにつれねぇな」

「黙れ」


僕ははっきり言って真白ちゃん以外に興味が全くない。

落とす方法だって、そんなんに頼るだけ時間の無駄だ。

「……あ。いいこと思いつーいた」


真人がなんかほざいている。

……なんか、嫌な予感する。


「じゃあ俺先帰るわー一年ももう終わったらしいぜー」

「マジか。じゃあな」


じゃあ真白ちゃんを迎えに行こうっと!


るんるん気分で真白ちゃんのいる教室に向かう。


ガラガラ———


「まーしろちゃ〜ん」


……あれ?

真白ちゃんが、いない?


「佐伯パイセン?真白ならもう帰ったよ」

「長谷川さん。ありがとう教えてくれて」


……真白ちゃんが、長谷川さんとでもなく1人で帰った……?


そんなの、ありえない。


っ……!!もしかして!


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