溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
急いで校舎に向かう。


やばい……アイツほんとに……。


「……あ!あの!」

「……はい?」


上履きの色からして2年生の女子だ。


「なんですか?」


とびっきりの愛想笑いで微笑みかける。


「!あ、あの……私、2年生の小華井美玲と言います……!」

「小華井さん、だね。じゃあさようなら」

「あ、さ、さようなら……!!」


……めんどくさいヤツに絡まれたな。


小華井美玲、生徒会長である僕だからこそ知っているが、アイツはよく人の彼氏を奪ったりしていて有名らしい。


そして、校舎に着いた僕。


けれど……もう、真白ちゃんの姿は見当たらなかった。


「っ……」


急いで走り出して、いつも真白ちゃんと帰る下校ルートを駆け抜けていく。


すると……。


「!!真白ちゃん!」

「……?あ、千星先輩……?」

「おー千星。遅かったな」

「……真人、お前……」

「まぁそんな怒らんで。」

 
なんでコイツが真白ちゃんと……。


「真白ちゃん、今日も僕と帰るって約束してたよね」

「えっ……?け、けど、千星先輩は急用だから真人先輩が一緒に帰るって……」

「そうそう、急用は終わったか〜?」

「……チッ。いい加減にしろよ」

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