溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
まぁいいや。


「あ!おかえり真白姉」

「あ、ただいま真冬……と……?

蒼?」

「おー。おかえり」


な、なんで家に蒼が!?

ムシャムシャと出されたお菓子を食べている蒼。


「な、なんでいるの?」

「暇だったから」

「えええっ……?」


暇だったからって、普通来る……?

今日、お母さんも仕事で真冬と留守番する予定だったから、お母さんはいない。


だから、きっとお母さんに呼ばれたのではなく自らきたのだろうけど……。


「……部活は?」

「入ってない」

「そっか」


ボーッとしながら質問に答えた蒼。


「それより真白」

「ん?あ、ごめん手洗ってくる」


話を遮ってしまったけれど、とりあえず手洗いうがいをする。


「ごめんごめん戻ったよ!」

「ああ。……それで、夏祭りなんだが」

「?夏祭り?」


先輩が言ってたのと同じかな?


「一緒に、行かないか?」

「へっ……!?」


ま、まさかの蒼からも誘われちゃった……!?


ど、どうしよう……。


「ご、ごめんね……!実は、千星先輩からも誘われてて……」

「ああ、そうか。ならい——」

「だから、千星先輩もいていいかな?」

「……え?」


なぜかポカンとしている蒼。
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