溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

「……はぁ、とりあえず、入学祝いにケーキでも買って2人でパーティーしない?」

「!いいね!私の家に今日お兄ちゃんしかいないから、私の部屋でしよ!」

「了解ー!じゃあ一緒にケーキ買ってこ!」

「うん!」


ふふっ、楽しみだなぁ。


その時だった。


「……あ、真白ちゃん?」

「……?」


この声は……。


「佐伯先輩……!?」


あれ……?でも、なんだか容姿が……。



「ふふっ、正解!隣の子はお友達かな?」

「はい!大親友の莉奈ちゃんです!」

「あ、長谷川莉奈です」

「佐伯千星です」


ぺこりとお辞儀をし合った2人。


声は完全に佐伯先輩なのに、朝会った時の容姿とは少し違う気がした。


目立たないようにしたいと主張していような大きな丸めがねに、少し長めの黒髪。


朝はゆるっと着こなしていたはずの制服はキリッと着こなしていた。


「あ、あの、佐伯先輩……?」
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