溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「さ、佐伯先輩……!実は、真白ちゃんと友達になりたくて」


っ……。

小華井先輩はそう言って千星先輩に近づいていく。

なんだろう……。


ドクッドクッと心臓が嫌な音を立て始める。


「へぇ、そうなんだ。けど、真白ちゃんには友達なんて必要ないよ?」

「へっ!?」


と、友達が必要ない……!?

それって一人ぼっちでいろってこと……!?


「だって、真白ちゃんには僕がいるじゃん。ふふっ」

「っ……!?」


愛らしく少年のような笑みを浮かべた先輩。


また、ぎゅっと心を掴まれたような気分……!


「そ、そういうの……!やめて、ください……!先輩の……バカ……」

「なにそれ、可愛いんだけど」

「っ……!」


ほんと、先輩はおかしい!


「ね、真白ちゃん」

「?」

「今日、僕の家で遊ばない?」

「な、なんでですか!?」

「実は、すっごく美味しいケーキ取り寄せたんだよね。真白ちゃんにも食べてもらいたくて」

「い、いいんですか……!?」


な、なにそれっ……!


「あはは、めちゃくちゃ目キラキラしてるじゃん。いいんだよ」

「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……!」


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