溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
やったー……!

……あ!


「また、魔法かけてくれますか……!?」

「?あー……可愛。うん、いいよかけてあげる」

「やったー!」


思わず飛び跳ねてしまった。

けれど……本当に、楽しみすぎる……!!


「そういえば真白ちゃんもうお昼食べた?」

「あ、はい!」

「そっか……残念」

「?なにかあったんですか?」

「ううん、今日は真白ちゃんとお昼食べたいと思ってたから」


っ……先輩、しゅんってしてるっ……。

可愛いっ……。


「……あ!じゃあ、明日一緒に食べませんか?」

「いいの?」

「はい!」

「ふふっ、ありがとう」


ぱぁっと花が咲いたような笑みを浮かべる先輩。

ふふっ……なんだか、こっちまですっごく嬉しい。


「……あ、あの」


少し怒り気味にそう言った小華井先輩。


「わ、私もご一緒していいですか!?」

「……え?なにに?」


イラッとした顔で千星先輩は小華井先輩にそう言う。

な、なんか……ここから、いますぐ立ち去りたい……!!


「ちゅ、昼食です!」

「ごめん、僕真白ちゃんと2人きりがいいから」


先輩は、なんだかいつもの愛想笑いもなく、真顔でそう言う。


……なんだか、やめてほしいな。
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