溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

先輩は独占欲強め

夏休みも終わり、二学期がスタートして1週間ぐらいが経った頃だった。

先輩との仲も良好で、最近はいつも一緒にお昼ごはんを食べることが多い。


「まーしろちゃんっ。手繋ごう?」

「あ、はい!」


先輩との帰り道。

手を繋ごうとしたその時だった。


「あ、あの!真白さん!」

「……?はい」


後ろから声をかけられて、慌てて振り向く。


「あ、一弥くん?」


この人は同じクラスの頭のいい、七宮一弥くんだ。


「どうしたの?」

「あ、え、えっと……真白さんに、伝えたいことがあって……」

「伝えたいこと?なぁに?」


どうしたんだろう……なんだか耳が真っ赤だけれど……熱でも出ちゃったのかな?


「……ごめんね七宮クン」

「?先輩……!?」


ぎゅっと後ろから先輩に抱き締められる。


「この子、僕の彼女だから」

「……え……」


一弥くんは絶望したような顔をしている。


「そ、そうなの?真白さん」

「へっ!?あ、う、うんっ……私たち、付き合ってるんだ……」


うううっ……恥ずかしい……。


「へぇ……そうなんだ」

「うん……。あ、それで伝えたいことって……?」

「ううん、また今度にする。じゃあね」

「あ、バイバイ!」


後ろを向いて、歩いて行ってしまった一弥くん。


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