溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
とりあえず私は先輩の隣に腰掛けた。


「……ここ、座ってよ」

「そ、それはさすがにできません……!」

「なんで?だって僕たち付き合ってるでしょ?」

「け、けど……」


そんなの、ドキドキしすぎて心臓もたないよぉ……!!


「むむっ……無理です!恥ずかしすぎます!それに、重いですよ私」

「ふふっ、重いわけないでしょ」

「!?」


私の頬を手のひらで包み込んだ先輩は、次第に頬を摘んで引っ張る。


「ひぇ、ひぇんあいっ……?」

「ふふっ、可愛い」

「な、ないすうんでうか……!?」
(なにするんですか!?)

「ん〜?なんだろうね〜」


っ……!完全に遊ばれてる……!!


「ううっ……やへてくだはい……」

「あはは、ごめんごめんちょっと意地悪しすぎた」

「もう……」

「あ、そうだ」

「へ?」


先輩はハッとしたような顔をして、私の脇に手を当てて抱き上げ、膝に乗せられてしまった。


「本当、軽すぎて心配になっちゃうな」

「うううっ……」


先輩の向きに座っているから視線がぱっちり合っていて、恥ずかしい。


「恥ずかしがってるの?ほんと可愛いんだけど」


そう言った先輩はぎゅっと私を抱きしめ、首筋に顔を埋めた。


「く、くすぐったいですっ……!!」

「我慢して」

「で、でもっ……ふふっ……あははっ……」


う、動かれると尚更くすぐったい……!!
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