溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「……ねぇ、真白ちゃん」

「?」

「キス、しよう?」

「ふぇ!?あ、は、はいっ……!」


よくわからないけれど……とりあえず、私は目を瞑る。


その時だった。


ガチャンッ


「ただいまー」


ま、真冬!?


慌てて私は先輩から離れる。

あ、危ない……見られるところだった……!!


「あーあ。残念。」

「ううう……」


本当に、恥ずかしくて死にそうだっ……。


「で、真白ちゃんはなんで悪いことしちゃったの?」

「え、姉ちゃんなんかしたんすか?」

「そう、僕のことほったらかして浮気」

「な!?浮気なんてしてません!!」


先輩は思い込みが激しい……!!


「じゃあ、正直に言ってよ」

「だから、私は莉奈ちゃんと買い物に行ってたんです!!」

「じゃあ、それなに?」


先輩が指を差した先にあるのは私が莉奈ちゃんと買ってきた先輩への誕生日プレゼントが。


「こ、これはっ……ひ、秘密です!女の子同士のことなんですから、突っ込んでこないでください!」

「へぇ……浮気相手との証拠品でも入ってるの?」

「だからちがいますってば!!」


けど、先輩に見せるわけにはいかない……!!


「……なに、見せてよ」

「だ、だめです!」

「……怪しい」

「だ、だからこれは……!!」


先輩への、誕生日プレゼントだからっ……!!


でも、だめだ!

どんどんとプレゼントに迫って行く先輩。


もう、正直に言うしかない……。


「先輩への、プレゼント、です……」

「……え?」


目を丸くする先輩。


「だからっ……先輩への、誕生日プレゼントを莉奈ちゃんと買ってきたんです……!!!」

「それ、本当?」


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