溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「はい!嘘なんてついてません」

「……ごめん、僕すっかり勘違いして……」

「いえ。私こそ、すみません……先輩を不安にさせてしまって……」

「いや、真白ちゃんは悪くないよ。ほんっとごめん。僕、真白ちゃんが誰かに取られたら嫌だって思ってる感情が勝っちゃって……」

 
そっか……それは、きっと先輩が私を一途に思ってくれてるってことな証拠だ。


「なんだか、複雑だけど嬉しいですっ……!!」

「あー……ほんと真白ちゃん優しすぎて天使」

「え、えへへっ……大袈裟ですけど嬉しいです……」


天使だなんて、言われたことな———


『真白ちゃんは、天使みたいだね』


あ、あれ……?


知らないはずなのに、どこか懐かしい相手が頭をよぎる。


だ、誰……?


とっても綺麗な可愛らしい顔をした少年が、泣きながら私にそう言ってくれている映像が流れる。


「っ……!」

「?真白ちゃん!?どうしたの?」


先輩に両肩を掴まれてハッとする私。


「あ、いえっ……!な、なんでもありません……!」

「そっか……。ならよかったけど……」


心の底から心配しているような先輩。


   
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