溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
しかも、真白ちゃんは小さい頃から変わらず純粋無垢でびっくりした。
ほんと、あの子は僕が守って行く。絶対に。
……そしていまは、婚約の話を自分の両親と話しているところだ。
「私は、千星は真白ちゃんと結婚するためにとっても頑張ったんだから、婚約には十分賛成よ」
「……ああ、俺も同意見だ」
「じゃあ、もう少ししたら真白ちゃんに婚約の話、持ちかけてもいい?」
「それはまだやめておけ」
「なんで」
僕は、早く周りに真白ちゃんが僕の婚約者だから近づくなと言いたい。
絶対に、真白ちゃんが離れて行くなんて許さない。
「真白ちゃんはまだ中学一年生なんだぞ?せめて真白ちゃんが高等部に上がってからにしろ」
「……はいはい、わかりましたよ」
父さんになんか言ったって無駄だってわかってるから……仕方ない。ここは我慢するか。
……少しだけ。2年半の辛抱なのだから、いままで真白ちゃんに片想いしていた時と比べれば、ほんの一瞬にも感じられる。
「それで、お前に話がある」
「なに?」
真剣な顔をしている父さん。それに、母さんまで。
「……小華井、美玲、わかるか」
「さぁ」