溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「?どうかしましたか?」

「いや、なんでもないよ。それより、きてくれてありがとうね、真白ちゃん」


ほんと、生の真白ちゃんが見れて幸福だ。


「いえいえ!私、先輩に会えてとっても嬉しいです!」

「真白ちゃん……ありがとうね」

「ふふっ、こちらこそ!あ!これよければ、ケーキ作ったんです!美味しいかわからないけれど、嫌でなければ食べてみてください!」

「うわぁ!ありがとう!」


箱に入ったケーキ。

お店の物かと疑うほど美味しそうだ。


「僕甘いもの好きだから、嬉しいな」

「えへへ、よかったです!」

「あ、よければ真白ちゃんもおやつの時間になったら一緒に食べない?」

「いいんですか?」

「もちろんだよ!」


っていうか、真白ちゃんと食べた方が絶対美味しい。


ああ、やっぱり幸せだなぁ。


僕は、この幸せためならなんでもできる気がする……。



けれど、悲劇は起きる。


これだけ幸せな日常も、どんどんと崩れて行く。

———でも、真白ちゃんはなにがあっても、絶対に僕のものだ。


それだけが、なにがあっても揺るがないたった一つの真実。

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