溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
ふふっ、楽しみだなぁ。


「じゃあ決定ね!!莉央と私の予定、整理しとく!」

「はーい!」


じゃあ私も先輩に聞いてみないとなぁ予定。





そして放課後。


今日も、また先輩と帰る。


「真白ちゃん、手」

「あ、はい!」


ぎゅっと繋いだ手。


なんだか、先輩はこの一年でとっても背が伸びたと思う。


……少しだけ、寂しいというか……。


日々大人っぽくなって行く先輩に、まだまだおこちゃまな私。


いつか、捨てられてしまわないか心配なことが多くて。


「……先輩は、どこにも行かないですよね」

「なんで急にそんなこと?」

「……なんだか、先輩がどこかに行っちゃいそうだから」


なぜだか知っているような気がする、先輩が自分の側から消えてしまう苦痛。


「あはは、真白ちゃん、なに心配してるの?“僕は”真白ちゃんから離れないよ」

「本当、ですね?約束ですよ!」

「ふふっ、うん。真白ちゃんも、僕から離れたらだめだからね」


私の手を握る手が少し力んだような先輩の手。


「……はい!」


やっぱり、先輩と一緒なら、なんでもかんでも大丈夫な気がする……!!


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