溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「真白ちゃんは、幼なじみとかいるの?」

「?幼なじみですか?いますよ!」

「だぁれ?」

「えっとですね、莉奈ちゃんと蒼です」


それぐらいかなぁ。いま中学校にいるのは。


「……そっか」

「はい!」


あれ……?なんだ、先輩悲しそう?

悲しいというか、切ないというか……。


なんだか、先輩、様子がおかしい。


「先輩、なにかありましたか……?」

「?あ、ううん。なんでもないよ」

「……そう、ですか」


無理矢理作った笑みを見せられる。


……もしかして、私なにかしちゃったのかな……?


「…………」


しばらく続く無言。

気がついたら、自然と繋いでいた手が離れる。


けど、お互いにまた繋ごうとはならなかった。





時刻は午後9時半。


いまはベッドの上でゴロゴロしているところだった。


……にしても……モヤモヤする。


私、先輩にやっぱりなにかしちゃったのかな……?


「むー……」


どうしよう……なんだか、私たちの関係が危うくなって行ってる気がする……。

私、先輩とこれから一緒にいられないなんて、絶対にやだ……!!


どうにかして、先輩があんな切ない顔していたのか、突き止めないと……!!


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