溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
もう1ヶ月ぐらいが経ってしまったかもしれない。夢を見始めて。


……そしてある日、私は先輩に話があると言われて、放課後、図書室に呼びたされた。


「……あ、真白ちゃん、きてくれてありがとう」

「い、いえ……」


なんだか、とっても嫌な予感がする……。


もしかして、私振られちゃうっ……!?


「……話、聞いてもらってもいいかな?」

「は、はいっ……!!」


……別れ話じゃないと、いいな。

私、これからもずっと先輩と一緒にいたいもん。


「……実は、僕にはね、ずっと片想いしてた女の子がいたんだ」

「……へ?」


その瞬間、なにもかもが崩れて行くような衝撃が身体に走った。


「……真白ちゃん?」

「あっ……つ、続けてください……」


本当は、苦しい。


なんだかよくわからないのだけれど、この場にいたくない。

ただ、苦しい。

胸がモヤモヤで……。いっぱいで……。


この先のことが、嫌な妄想しかできなくて。


「……その女の子に、僕は救われたんだ」

「救われた……?」


……ねぇ先輩、もしかして先輩は私のことが嫌いなんですか……?


だから、こんな私が嫌がるような会話をしているのかな……。


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