溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「で、でもっ……」

「自信がなくなる気持ちもわかるわ。けど、きっと確定よ。だって、あの溺愛っぷりで、逆に他の女好きならだいぶの女好きよ?」

「うっ……そうですよね……」


……本当に、私、これっぽっちも愛されてなかったなんてなったら、どうなっちゃうんだろう。


「……けど、それは断じてないと言えるわね」

「え?どうしてですか?」

「……金持ち界ではね、佐伯千星は、容姿端麗、文武両道で完全無欠、昔から女が死ぬほど嫌いって噂、いや、確定だけど、そう言われてんのよ」


そう、なんだ……。


「……だから、佐伯先輩に限ってそれは絶対にない。つまり、やっぱりアンタが幼なじみ以外あり得ないのよね」

「小華井先輩って、案外良い方ですね」

「案外ってなによ案外って」


一番最初、とっても優しい先輩だと思っていた。

けれど、本当はちがって、怖かった。


でも、一番最後、いまはとっても優しくて、味方になってくれているように私は見える。


「あはは……すみません」

「謝んないでよ。にしても、やっぱりアンタ変わってるわね」

「そうですかね?」

「ええ」


んー……私って変わってるのかなぁ?

< 95 / 150 >

この作品をシェア

pagetop