仮面王子とのメモワール
後ろを振り向きたくても、まだ真後ろにシュウちゃんの気配を感じて、それもできない。
それをわかってか、再び頭を撫でられた。今度はグリグリと、やや強めに。
「ったく、可愛いな〜お前は」
「ちょ、ちょっと!」
シュウちゃんと、もれなく未央までがケラケラと私を見て笑う。
よくある光景のはずなのに、いつまでも慣れはしなかった。
それに、いつアイツが戻ってくるかと頭の隅っこで気にしている自分も、正直いる。
あーもう、ほんと、どうしようもない。
「もう、シュウちゃんのせいで髪ボサボサ……」
「ハハッ、悪かったって」
「絶対思ってないでしょ」
ギャーギャー騒いでいたら、いつの間にか普通にシュウちゃんと向き合って会話をしていた。