仮面王子とのメモワール
「蓮見さん」
パシッと、後ろから肩を掴まれた。
声で。
その触れ方で。
誰かなんてすぐわかる。
「え、なんで……」
「あー……っと、もう一つ言い忘れてたんだけど」
離れて行ったはずの律紀が、何故かまた目の前に戻ってきていた。
え、なに……?
なんのための行動なのかさっぱりわからなくて、思わず首を傾げる。
「……蓮見さん、一応確認なんだけど」
ジッと見つめてくる目は、何を考えているのか分からない。
「今日の天気、知っててここにいるんだよね?」
「……え?」
何を言われるかと身構えれば、まさかの質問に拍子抜けしてしまった。
えーっと……?
首を傾げる私に、律紀は何故か怪訝な顔をする。