仮面王子とのメモワール
「なんだったの?いまの」
「……わかんない」
一部始終を見ていた未央も不思議そうな顔。
律紀ってば、どういうつもりだったんだろう。
その真意はわからないまま、私たちはシュウちゃんたちと合流してボーリングを楽しむことになった。
「おー!上手いじゃん唄」
「わっ、当たった!」
さっき分かれた2チームで始まった1フレーム目。
久しぶりすぎて感覚もわからないまま投げた球は、意外にも一発で7ピン倒した。
え、私もしかしてやればできるタイプ?
なぁんて調子に乗りたくなってしまう。
「あーでも、あと3ピン左右に分かれちゃってる」
「カーブかければあれならいけそうだけど……って、唄にはムズいな」
「うん、できる気がしない」
同じチームのシュウちゃんが横に立っててくれているけど、さすがにカーブなんて芸当はできそうもない。