仮面王子とのメモワール
「え、なに?どうかした?」
未央の急な態度に、シュウちゃんも驚いた様子。
ううん、なんでもないよ、と誤魔化してはみるものの、内心は私も焦っていた。
あー、私のバカ。
「どうしよう。あたしも何も持ってない」
未央にまでこんな顔させるとか、ちょっと情けなさすぎる。
『……蓮見さん、一応確認なんだけど。今日の天気、知っててここにいるんだよね?』
律紀の、あの言葉。
うん。知らない。何も考えないで来たよ。
律紀は、知ってたんだね。
───ゴロゴロ……ッ!
「……っ!」
外で、雷の音が聞こえる。
途端に足がすくんだ。
ダメなんだ。昔から。
雷、だけは。