揺れる水色*
 夏休み明けてから、バスの中で彼の姿を見ることはなくなった。

 ――少し、寂しい。

 話しかけてみれば良かったかな。あんなに至近距離にいたんだから。でも話しかけて「誰?」って言われたりするのも嫌だったし。

 いつものようにバスの窓から、ふと外を眺めると、彼だと思われる人が自転車で走っていた。

***

 九月の日曜日。

そういえば、いつも学校に行く時に乗っているバス、最後まで乗ると、海に着くんだっけ?

 暇だったから乗って、海に向かってみた。
< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop