揺れる水色*
 海に着くと、太陽は隠れていたけれど、水はキラキラと揺れていた。濃い潮の香りが(まと)う。聴くと安心する波の音も。

 そして、彼がいた!

 美しい水平線の前にいるせいか、私は積極的な気持ちになり、砂浜に座って海を眺めている彼の元へ小走りで向かい、話しかけた。

「あの、いきなりすみません。私、あなたと中学同じだったんですけど……」
「あっ、知ってる。バスも一緒だったよね」

 彼の横に座り、一時間ぐらい話をした。
 それから、連絡先も交換して。
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