先輩からの卒業
「今日はほんとに勉強してますよ」
その証拠に勉強机には教科書とテキストが開かれている。
……1時間前と同じページのまま。
だけど、先輩はそんなこと知らないはず。
「何が同じ委員会だよ」
「え?」
委員会?先輩はなんの話をしているのだろう?
話の内容が理解できず首を傾げる私に先輩は、ハァーと小さくため息をこぼすと続けて「浪川」そうつぶやいた。
浪川くん?
ああ……!
委員会ってもしかしてこの前、手紙でやり取りした時の?
「嘘じゃないですよ。浪川くんとは本当に同じ委員会で……」
「そうじゃなくて。浪川に告白されたんだろ」
……どうして、先輩がその話を知っているの?
思わぬ展開にただ唖然と口を開くことしかできない私。
「……それ誰から」
告白のことを知っているのは浪川くんと私。それから真帆だけ。
他に知っている人がいるとすれば浪川くんの友達?
どちらにせよ真帆は勝手に話したりしないから、先輩は浪川くんサイドからそのことを聞いたのだろう。
「浪川本人。今日たまたま会ったから奈子と仲いいのか?って聞いたら最近告白したって」