ABYSS〜First Love〜
リオ
sideA-3
ユキナリにもっと触れたかった。
だけど今夜はそれ以上触れたらいけない気がした。
自信もなかったし、それだけだと思われるのも嫌だった。
勢いなんて言葉で片付けられても嫌だ。
ユキナリの気持ちがちゃんとオレになければ
意味がなかった。
ユキナリは少し酔ってたし、
本心じゃないかもしれない。
そう思うと怖かった。
その夜はユキナリでいっぱいで眠れなかった。
夜の海に散歩に出た。
星が綺麗でクラクラする。
ユキナリの唇を思い出して身体が熱くなった。
ユキナリもオレと同じ気持ちなんだろうか?
好きって言わせるだけ言わせて
ユキナリは一言もオレを好きだと言わなかった。
ユキナリが欲しい。
ユキナリの全てを自分のものにしたい。
あと1週間でユキナリはここからいなくなる。
それまでにユキナリをオレのものにしたかった。
大学を辞めて東京に行こうか?
オレはそんなことまで考えてた。
だけどユキナリは一夜明けるとやっぱり冷たかった。
どこか壁を作ってオレはその中に入れない。
しんどい。
気持ちが通じたと思ったのに
ユキナリは一言も好きだと言ってくれない。
なのにユキナリは次の日も仕事上がりにオレの部屋に来て
オレの前に座ってる。
キスくらいしてもいいのか?
部屋に来たんだからきっと大丈夫だと思うが
勇気が出なかった。
今、ユキナリに拒まれたら
きっと立ち直れない。
そう思うと何も出来なくなった。
「泊まってっていい?
帰るのめんどくさいわ。」
「え?」
「お前、変な想像するなよ?」
あんまりにも酷い扱いだ。
これじゃ蛇の生殺しだ。
シャワーから上がってきたユキナリは勝手に冷蔵庫を開けて
「そりゃ酒はねぇよなぁ。
リオはまだ未成年か。」
と言った。
「もう未成年じゃないよ。
4月からは18は成人だから。」
「あー、俺たちの時とは違うのか。
…18は成人ね。
酒は飲めないのにな。」
何となく馬鹿にされてる感じだった。
「ユキナリだってやっとお酒飲める年になったんだろ?
大して変わらないよ。」
「でも違うんだよ。
酒もタバコも吸えない成人か…。」
「でもユキナリとヤっても犯罪にはならない。」
「合意の上じゃなきゃいくつになろうが犯罪だ。」
合意してくれないつもりだろうか?
「子供扱いするなよ。」
オレはユキナリを押さえつけて馬乗りになった。
「これ、犯罪だぞ。」
ユキナリは冷静だった。
初めてとは思えないくらい。
「降りろよ。」
それ以上は無理だと思った。
こんな形でユキナリを汚したくない。
オレはユキナリを抑えていた手を放し
頭を冷やしにバスルームに入った。
触らせないなら帰って欲しかった。
好きじゃないなら来ないで欲しかった。
それなのにシャワーから上がると突然ユキナリはオレにキスしようとした。
どこまでオレの気持ちを揺さぶれば気が済むんだろう。
「ふざけんな。」
オレは腹が立ってユキナリを突き飛ばした。
「どういうつもりだよ?
弄びやがって!」
ユキナリはビックリしたのかそのまま黙ってオレの顔をただ見ていた。
「帰れよ!」
「リオ…オレが好きなんだろ?」
ユキナリは狡い。
オレの気持ちだけを確かめて自分の気持ちは言わなかった。
「ユキナリはどうなんだよ?
オレが好きなの?」
怖かったけど勢いで聞いてしまった。
「さぁ、どうだろうな。」
ユキナリは狡い。
「もういい。」
ユキナリが東京へ帰るまで時間がない。
それまでにユキナリの気持ちははっきりするのだろうか?
オレはその夜、ユキナリを泊めなかった。
早朝海に行くとそこにユキナリが来てた。
波に乗るアイツはやっぱり輝いていて
オレは改めてユキナリが好きだと思い知る。
「夕べはゴメンな。」
ユキナリが謝ってきた。
何に対して謝ってるのかわからない。
オレに好きだと言えなかったことか?
それとも好きでもないのにキスしようとしたことか?
それでもただユキナリが愛しかった。
オレはユキナリの顔を抑えると無理やりその唇にキスをした。
ユキナリの唇は海の味がした。
キスしたあと、ユキナリはオレを抱きしめてくれた。
そして好きという代わりにゴメンと言った。
だけど今夜はそれ以上触れたらいけない気がした。
自信もなかったし、それだけだと思われるのも嫌だった。
勢いなんて言葉で片付けられても嫌だ。
ユキナリの気持ちがちゃんとオレになければ
意味がなかった。
ユキナリは少し酔ってたし、
本心じゃないかもしれない。
そう思うと怖かった。
その夜はユキナリでいっぱいで眠れなかった。
夜の海に散歩に出た。
星が綺麗でクラクラする。
ユキナリの唇を思い出して身体が熱くなった。
ユキナリもオレと同じ気持ちなんだろうか?
好きって言わせるだけ言わせて
ユキナリは一言もオレを好きだと言わなかった。
ユキナリが欲しい。
ユキナリの全てを自分のものにしたい。
あと1週間でユキナリはここからいなくなる。
それまでにユキナリをオレのものにしたかった。
大学を辞めて東京に行こうか?
オレはそんなことまで考えてた。
だけどユキナリは一夜明けるとやっぱり冷たかった。
どこか壁を作ってオレはその中に入れない。
しんどい。
気持ちが通じたと思ったのに
ユキナリは一言も好きだと言ってくれない。
なのにユキナリは次の日も仕事上がりにオレの部屋に来て
オレの前に座ってる。
キスくらいしてもいいのか?
部屋に来たんだからきっと大丈夫だと思うが
勇気が出なかった。
今、ユキナリに拒まれたら
きっと立ち直れない。
そう思うと何も出来なくなった。
「泊まってっていい?
帰るのめんどくさいわ。」
「え?」
「お前、変な想像するなよ?」
あんまりにも酷い扱いだ。
これじゃ蛇の生殺しだ。
シャワーから上がってきたユキナリは勝手に冷蔵庫を開けて
「そりゃ酒はねぇよなぁ。
リオはまだ未成年か。」
と言った。
「もう未成年じゃないよ。
4月からは18は成人だから。」
「あー、俺たちの時とは違うのか。
…18は成人ね。
酒は飲めないのにな。」
何となく馬鹿にされてる感じだった。
「ユキナリだってやっとお酒飲める年になったんだろ?
大して変わらないよ。」
「でも違うんだよ。
酒もタバコも吸えない成人か…。」
「でもユキナリとヤっても犯罪にはならない。」
「合意の上じゃなきゃいくつになろうが犯罪だ。」
合意してくれないつもりだろうか?
「子供扱いするなよ。」
オレはユキナリを押さえつけて馬乗りになった。
「これ、犯罪だぞ。」
ユキナリは冷静だった。
初めてとは思えないくらい。
「降りろよ。」
それ以上は無理だと思った。
こんな形でユキナリを汚したくない。
オレはユキナリを抑えていた手を放し
頭を冷やしにバスルームに入った。
触らせないなら帰って欲しかった。
好きじゃないなら来ないで欲しかった。
それなのにシャワーから上がると突然ユキナリはオレにキスしようとした。
どこまでオレの気持ちを揺さぶれば気が済むんだろう。
「ふざけんな。」
オレは腹が立ってユキナリを突き飛ばした。
「どういうつもりだよ?
弄びやがって!」
ユキナリはビックリしたのかそのまま黙ってオレの顔をただ見ていた。
「帰れよ!」
「リオ…オレが好きなんだろ?」
ユキナリは狡い。
オレの気持ちだけを確かめて自分の気持ちは言わなかった。
「ユキナリはどうなんだよ?
オレが好きなの?」
怖かったけど勢いで聞いてしまった。
「さぁ、どうだろうな。」
ユキナリは狡い。
「もういい。」
ユキナリが東京へ帰るまで時間がない。
それまでにユキナリの気持ちははっきりするのだろうか?
オレはその夜、ユキナリを泊めなかった。
早朝海に行くとそこにユキナリが来てた。
波に乗るアイツはやっぱり輝いていて
オレは改めてユキナリが好きだと思い知る。
「夕べはゴメンな。」
ユキナリが謝ってきた。
何に対して謝ってるのかわからない。
オレに好きだと言えなかったことか?
それとも好きでもないのにキスしようとしたことか?
それでもただユキナリが愛しかった。
オレはユキナリの顔を抑えると無理やりその唇にキスをした。
ユキナリの唇は海の味がした。
キスしたあと、ユキナリはオレを抱きしめてくれた。
そして好きという代わりにゴメンと言った。