ABYSS〜First Love〜
オレはタクミのことを調べてみることにした。
とりあえず闇の世界まで知り尽くしてるオウスケさんに相談してみた。
「タクミが今、何やってるか知ってます?」
オウスケさんはよく知らないみたいだが
タクミの事が心配なので調べてくれると言った。
サチがあんなに変わったのは何か理由があるはずだ。
その鍵はタクミが握ってると思った。
そして暫くするとオウスケさんがバーにやってきた。
「ユキナリ、この前言ってたタクミの事だけど…
アイツかなりやばい事してる。」
「え?ヤバいって?」
「アイツ、評判の良くないクラブでかなり悪いことしてるらしい。
客から金もらって連れてきた女の子にドラッグ入りのドリンク飲ませてる。
その後、気を失った女の子を奥の部屋に運んで客に引き渡すらしい。」
「それって…」
オレはビックリしてそれ以上は言葉にならなかった。
「もう警察に目をつけられてる。
逮捕も時間の問題みたいだけどな。
だけどその女の子たちとの行為は録画されてて
彼女たちも客も下手なことは出来ないみたいだ。
奴らは客や女の子を脅して好き放題で
タクミはかなり悪質な犯罪グループの1人だ。
アイツはマジでヤバいヤツだった。
海の家で働いてた頃は明るくて良いやつだったのに…。
悪い奴と知り合ったんだろうなぁ。
それでサッちゃんは多分タクミに利用されてるんだろう。
サッちゃんちは金持ちだし、
相当タクミに金が流れてるかもしれない。」
まさかとは思ったが
オウスケさんの勘は当たっていた。
サチはタクミに酷い目に遭ってるようだった。
相手が悪すぎてオレなんかにはどうにも出来なかった。
サチを救ってあげたいが
オレだけでは解決できる問題じゃなかった。
結局はオウスケさんに頼るしかなかった。
オウスケさんはどういうルートでそれを収めてくれたのかわからないが
タクミは逮捕されてサチの動画の入ったUSBがオレの手元に届いた。
オレはそれをサチに渡した。
「オウスケさんが収拾してくれた。
コピーは無いから安心してくれって。
ごめんな、サッちゃん…何にも知らないでこんな目に遭わせて。」
サチはホッとしたようで大声で泣いた。
「ありがとう。これが表に出たら私…もう生きていけないと思った。
私もリオの写真はユキナリには迷惑かけないように全て削除するから許して。
でも…ユキナリはこのままでいいの?
リオとの未来があると思う?」
今回のことでオレはこれからの事をかなり悩んだ。
リオもきっとすごく悩んで迷ったんだろう。
サチの件が落ち着いても
リオは帰って来なかった。
リオが恋しかった。
それでもオレはリオのために
アイツが帰ってくるまで
しばらくこの距離を保つしかなかった。
そして3年の月日が流れた。
オレはリオとの思い出の海の近くに
小さな店を構えた。
1年前に親父が亡くなり
親父の遺してくれた金で自分の生きる場所を見つけた。
この辺りはリオと知り合った頃とはだいぶ変わって
街全体が開発されて若者に人気のスポットとなり随分観光客が増えた。
オウスケさんはもちろん毎年海の家を開き
夏だけここにやってきた。
そしてアキラさんは新しい恋人が出来て
幸せに暮らしている。
2人ともオレの店の常連だ。
サチはあの後、親のすすめで見合いをして
エリート検事と結婚した。
タクミはあの後、数々の余罪が明るみに出て未だ服役中である。
そしてリオはしばらくは広告で見かけたが
モデル事務所も辞めてしまったようで
最近はその姿を見ることもなくなった。
今はどこにいて何をしてるのかも知らない。
オレはリオを探さなかった。
アイツが帰ってこないのには理由があるからだと思った。
だけどオレはあれから誰も愛することが出来なかった。
ずっとリオがオレの中に居て
未だリオだけしか愛せなかった。
とりあえず闇の世界まで知り尽くしてるオウスケさんに相談してみた。
「タクミが今、何やってるか知ってます?」
オウスケさんはよく知らないみたいだが
タクミの事が心配なので調べてくれると言った。
サチがあんなに変わったのは何か理由があるはずだ。
その鍵はタクミが握ってると思った。
そして暫くするとオウスケさんがバーにやってきた。
「ユキナリ、この前言ってたタクミの事だけど…
アイツかなりやばい事してる。」
「え?ヤバいって?」
「アイツ、評判の良くないクラブでかなり悪いことしてるらしい。
客から金もらって連れてきた女の子にドラッグ入りのドリンク飲ませてる。
その後、気を失った女の子を奥の部屋に運んで客に引き渡すらしい。」
「それって…」
オレはビックリしてそれ以上は言葉にならなかった。
「もう警察に目をつけられてる。
逮捕も時間の問題みたいだけどな。
だけどその女の子たちとの行為は録画されてて
彼女たちも客も下手なことは出来ないみたいだ。
奴らは客や女の子を脅して好き放題で
タクミはかなり悪質な犯罪グループの1人だ。
アイツはマジでヤバいヤツだった。
海の家で働いてた頃は明るくて良いやつだったのに…。
悪い奴と知り合ったんだろうなぁ。
それでサッちゃんは多分タクミに利用されてるんだろう。
サッちゃんちは金持ちだし、
相当タクミに金が流れてるかもしれない。」
まさかとは思ったが
オウスケさんの勘は当たっていた。
サチはタクミに酷い目に遭ってるようだった。
相手が悪すぎてオレなんかにはどうにも出来なかった。
サチを救ってあげたいが
オレだけでは解決できる問題じゃなかった。
結局はオウスケさんに頼るしかなかった。
オウスケさんはどういうルートでそれを収めてくれたのかわからないが
タクミは逮捕されてサチの動画の入ったUSBがオレの手元に届いた。
オレはそれをサチに渡した。
「オウスケさんが収拾してくれた。
コピーは無いから安心してくれって。
ごめんな、サッちゃん…何にも知らないでこんな目に遭わせて。」
サチはホッとしたようで大声で泣いた。
「ありがとう。これが表に出たら私…もう生きていけないと思った。
私もリオの写真はユキナリには迷惑かけないように全て削除するから許して。
でも…ユキナリはこのままでいいの?
リオとの未来があると思う?」
今回のことでオレはこれからの事をかなり悩んだ。
リオもきっとすごく悩んで迷ったんだろう。
サチの件が落ち着いても
リオは帰って来なかった。
リオが恋しかった。
それでもオレはリオのために
アイツが帰ってくるまで
しばらくこの距離を保つしかなかった。
そして3年の月日が流れた。
オレはリオとの思い出の海の近くに
小さな店を構えた。
1年前に親父が亡くなり
親父の遺してくれた金で自分の生きる場所を見つけた。
この辺りはリオと知り合った頃とはだいぶ変わって
街全体が開発されて若者に人気のスポットとなり随分観光客が増えた。
オウスケさんはもちろん毎年海の家を開き
夏だけここにやってきた。
そしてアキラさんは新しい恋人が出来て
幸せに暮らしている。
2人ともオレの店の常連だ。
サチはあの後、親のすすめで見合いをして
エリート検事と結婚した。
タクミはあの後、数々の余罪が明るみに出て未だ服役中である。
そしてリオはしばらくは広告で見かけたが
モデル事務所も辞めてしまったようで
最近はその姿を見ることもなくなった。
今はどこにいて何をしてるのかも知らない。
オレはリオを探さなかった。
アイツが帰ってこないのには理由があるからだと思った。
だけどオレはあれから誰も愛することが出来なかった。
ずっとリオがオレの中に居て
未だリオだけしか愛せなかった。