雨降る日のキセキ
「…帰ろっか。ごめんな、変な話して」


「ううん。嬉しかったよ、ありがとう」


こんな私を好きでいてくれてありがとう。


応えられなくてごめんなさい…。


応えれるように頑張るから…。


「…千隼くん」


だから…待っててほしい。


…だなんて都合良すぎるよね…。


「……明日、頑張ってね」


「おう」


滝のように激しい雨は止むことはなかった。


それはまるで、噛み合わない私たちの想いを象徴しているようだった―…。


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