雨降る日のキセキ
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「…ふぅ……」
いつもの公園。
朝陽くんとの想い出の公園。
そのベンチに腰を下ろす。
夕焼けの空が木々の向こうに見えている。
“亡くなった人は星になって皆の幸せを見守ってる”
合宿の日の夜が蘇る。
私がもう少し外にいると告げたときの、あの寂しそうな顔が頭から離れないんだ。
それに…願い事を尋ねた時のあの神妙な顔も…。
きっと…千隼くんは何か抱えている。
あの夏の決勝戦だって…。
あんなに儚くて、いつかいなくなってしまいそうな姿を見せられたら、側にいてあげたいって思ってしまうんだ。
だからあの夜、決めたんだ。
朝陽くんのことは忘れるって。
しっかり前を向いて、千隼くんと向き合う。
朝陽くんのことは、もう終わったことなんだ。
短く息を吐き、空を見上げると、オレンジ色の世界が広がっていた。