雨降る日のキセキ
さっさと階段を上っていくけど、翔吾がついてくる気配がなかったから振り返って見ると、階段の途中にしゃがんで靴紐を結び直していた。
「ちょっとー、早くー」
少し翔吾の方へ引き返そうかと思ったその時、木の陰から誰かが飛び出して来て、ものすごい勢いで翔吾へ突進していった。
そこからはまるでスローモーションだった。
ジャージ姿の誰かに押され、しゃがんだ姿勢のまま階段を転げ落ちていく翔吾。
満足気に口角を上げ、階段横の茂みに消えていく人影。
剥き出しコンクリートの階段の角に点々と付着していく赤い血液。
「っ翔吾…!!!!」
ハッと我に返ったときには、翔吾は1番下の段で倒れていた。
「翔吾!!!!」
慌てて階段を下り、翔吾に駆け寄る。
「ちょっとー、早くー」
少し翔吾の方へ引き返そうかと思ったその時、木の陰から誰かが飛び出して来て、ものすごい勢いで翔吾へ突進していった。
そこからはまるでスローモーションだった。
ジャージ姿の誰かに押され、しゃがんだ姿勢のまま階段を転げ落ちていく翔吾。
満足気に口角を上げ、階段横の茂みに消えていく人影。
剥き出しコンクリートの階段の角に点々と付着していく赤い血液。
「っ翔吾…!!!!」
ハッと我に返ったときには、翔吾は1番下の段で倒れていた。
「翔吾!!!!」
慌てて階段を下り、翔吾に駆け寄る。