雨降る日のキセキ
「千隼くん…っ」


千隼くんの側にいたい。


千隼くんを支えてあげたい。


おこがましいかもしれないけど、そう思ったんだ。


「一緒に帰ろう…?」


「……おう」


雨は一瞬の通り雨だったようで、もうすっかり止んでいる。


「…なんで翔吾が……」


千隼くんの表情が苦しげに歪む。


「ホントに犯人の顔見てねーの?」


……。


「…たぶん、華だった」


「………なんで」


…本当に、なんでなのかが分からない。


華は翔吾に何の恨みがあるっていうの…?


「…明日、安藤に話つけにいってくる」


「ホントに華だったかは自信ないよ…?」


「…わかってる。話聞くだけだから」


そう言ってはいるけど、千隼くんの目は怒りに満ちていた。
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